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コラム

ちいさくつくる

資金計画を立てて、目ぼしい土地が決まれば、次は家のプランニングに進んでいきます。

そしてプランニングの際には、私は“小さく作る”ことを心がけています

家を敷地いっぱいに立てないという事。

敷地は家や車の駐車スペースで全て使うのではなく、樹木を植えたりするスペースを取っておきたいものです。

そのために家はなるべく小さく作る事を心掛けています。

家を小さく作ろうとすると、コスト的な事と思われがちで、建て主の親御さんなどは、

もう少し広くした方が良いなどの意見を言われる時もあります。

おそらくこの世代の方は、家を大きくした方が、体裁が整っていると考えられての事だと思います。

 

しかし小さい家は、メリットが色々あります。

小さくすることで、価格を抑える事ができますし、その抑えた分だけ、自然素材を使うことや、

断熱性能を上げるために費用を回す事ができます。

また室内の気積が小さくなるので、冷暖房の効率が良くなるメリットも出てきます。

 

しかし、ただコストだけを考えて小さく作ると、狭いだけの家になってしまうので、

設計にひと手間かける必要があります。

家を小さくしても、狭さを感じないように、リビングと外の庭との間に半屋外空間を設けるなどして、

室内だけで感じる広さではなく、半屋外空間と外の庭も含めた空間の広がりを感じるようなプランニングを

するなど、設計のひと手間が必要です。その他まだまだありますが、それはまたの機会に話すとして

 

小さく作るためには、お客さんへの聞き取り(ヒアリング)は、とても重要です

ヒアリングの際に、

リビングの広さが何畳必要か?

と言うような聞き方は、しないようにしています

リビングに10畳欲しいですか?16畳欲しいですか?

このような聞き方をすると、家がどんどん大きくなってきます。

その為私は、リビングに何を置くのか?ソファーやテーブル、家具、ピアノetc

リビングに何を置いてどのように過ごすかをお聞きしてプランニングしています。

過去に、20畳近くあるリビングのある家にお邪魔したことがあるのですが、

何となく無駄なスペースがあるような気がして、広いことが、かえって落ち着かない空間になっている

印象を受けたことがあります。

逆に小さくても、家具の配置などあらかじめ決められて、必要な大きさに計画されたりしていると、

ヒトとモノとの距離が、ちょうどよくて、感覚的にしっくりして、とても落ち着く印象を受けたりします。

小さい家のほうが、あるものを使いこなし、住みこなすという施主様の住まい方の工夫(施主力)が

プラスされて “良い暮らし方だなあ、、、”と感じることが多々あります。

ある住宅建築家の方が“足るを知る”という言葉について、

“過剰に大きくしない“”ちょうどいい大きさ“にすることは、設計をするうえでとても大事なことだ。

という話を聞き、設計をする上でいつも”ちょうどいい大きさ”を心掛けています。

近年ミニマリストという言葉にもあるように、小さい家に暮らすことが、かっこいいと思われるような、

価値観が根付いていけばいいと思います

そして以前から問題となっている地球温暖化の面からも、小さく作られて省エネルギーで暮らす家は、

地球環境に配慮した暮らし方だと思います。

そしてもう一つ言うならば、家は小さくそして低く作った方が良いと考えています。

低く作ると言う事は、天井低くすると言う事ですが、この話はまた別の機会にして、

家を低くすると、屋根の軒先が低くなって、建物のプロポーションも良くなります。

又家自体が低いと、近所の方に、日照などで迷惑をかけないこいうメリットもあります。

家は大きくなくてもいい、小さくても必要なものが揃ってればいい

小さく作って、住まいの質を上げる

これからの住宅に必要なことではないでしょうか


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