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コラム

家づくりの基本 外部編

前回は家を”小さく作る”ことについて話をしました

今回は、住まいの外部に対しての備え、外観について主に話したいと思います

外観を検討する際に、考えることとして

その時代の流行、地域の気候風土や周りの住宅環境などがあります。

まず時代ですが、これはその時の流行があげられると思います。

戦後、世帯数に対する住宅の戸数が足りなかった時代は、とにかく作る事が優先されました。そして世帯数に必要な戸数が確保されると、

次に個人の個性を優先した住宅が造られるようになります。

プロバンス風、北欧風のような〇〇風といわれるもの

また最近は、よりローコストなBOX型も出てきました

屋根の軒や庇のない、箱型の住宅で〇〇キューブ、〇〇ボックスなどの商品名がついた、シンプルデザインと称される住宅です。

 

このように世の中には、いろいろな形やスタイルで作られた家を見かけるようになりました。

しかしそれらはその地域の気候風土に沿ったものなのでしょうか?

例えば衣服等の場合は、その時代にあったものを着て、流行おくれになれば、買い換えることができます。

それは他人から変だと思われるのが嫌だから、そんな理由もあるでしょう

では住宅の場合どうでしょう?

建てた当時は、流行していてよかった、もしくは年齢的に若かったので、奇抜なデザインでもよかった。しかし年齢を重ねるとともに、

そういった奇抜なデザイン、色を使ったものが、流行から遠ざかり変だと思われ始めたとき、数十年のローンを組んで建てられる住宅は、

簡単に交換というわけにはいきません

時代によって流行があると思いますが、人が年を取るように、家も年を取っていきます。

奇抜なデザインや色で作られたものは、時間の経過とともに斬新さや色合いは衰えていきます。

それならば年をとっても受け入れられる控えめなデザインで風合いを保ちながら経年変化していく材料がいい

できれば自然素材な物の方が環境に馴染み永く大切に使われていくのではないかと思います。

そして次にその地域の気候や風土になじむ外観についても検討して欲しいと思います。

雨の多い私たちの地域の場合、屋根の軒先を出すという事は、家の外壁を雨から守ることでもあり、家の耐久性の向上という点からも大切です。

また南側に大きな窓がある場合などは、窓上に夏の日照を遮るための庇を設けるなど、昔から行われてきて今も残っているやり方は、

取り入れた方が良いと思います

先ほど話した屋根の軒や庇のない、箱型の住宅〇〇キューブ、〇〇ボックスなどの商品名がついた住宅ですが

夏場にこのようなボックス住宅を見ると南の窓のカーテンが閉まった状態等を見かけることがあります。

おそらく太陽の直射日光が強くて、カーテンを閉めないと暑くて過ごせないのだろうと思われます。

現在住宅に使用されるガラスには、遮熱ガラスと言われる一定量日射を遮る性能のものもありますが、

直射日光の半分近くは室内に入ってきます。

直射日光が入って、室内を温め始めると、住宅の断熱性能の良さが仇となり、温められた室内の温度が、外に出て行かなくなる。

そうなるとエアコンをフル稼働しなければならない。

それで日照抑えるために、カーテンを閉めっぱなしにしなければ耐えられないという状況になるのだと思われます。

こういったことの対策として、やはり屋根の軒を出すか、軒を出さない場合は、南の窓の上に庇をつける、

あとは樹木植えるなどの方法があります

少し費用は掛かりますが昔から行われてきた方法、代打受け継がれてきた知恵、知識は今でも十分通用する技術なのです

環境を邪魔しない控えめなデザイン、地域の気候に配慮した屋根の在り方など家づくりにおいて、

基本的なことを念頭に置いた家づくりが、長く使える心地よいと感じる家つくりになっていくのではないでしょうか?


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